一、茨城県の県西・県央地域の一部の家庭では、正月三が日の朝食は『しょーびき餅』を食べます。塩引鮭がなまって『しょーびき』となり、餅と合わせて『しょーびき餅』となったようです。地域や家庭によっては『しょーぴき餅』『しゃけ餅』『塩引餅』『鮭餅』『はしゃぎ餅』とも言うそうです。
二、切り身の塩引鮭を焼いて、そのほぐした身を、焼いた切り餅と一緒に食べます。餅に挟んだり、押し付けたりして食べます。
三、塩引鮭は、お歳暮でいただいた荒巻鮭の切り身が最適です。餅は切り餅で、年末に餅をつき伸しておいた餅を使います。
四、正月三が日の朝食は、お雑煮は食べません。おせち料理も出しません。納豆や海苔も使いません。『しょーびき餅』のみです。
五、『しょーびき餅』は、普段炊事をしている女性に正月三が日の朝くらいは休んでもらうため男性が用意します。※追記1
六、焼いた塩引鮭は一人一皿に取り分けます。家によっては、焼いた切り餅を一升ますに入れ、神棚にお供えした後に食べます。
七、『しょーびき餅』は一説には、戦国大名として有名な佐竹氏家臣の正月膳の一つであったようです。
【追記1】日本の習俗をまとめた書物を読むと、そもそも、正月3が日は年神様の祝膳の準備(若水、お供え、雑煮支度などなど)は男出の役目とのことです。結果的に女性が休めたということでしょうか。事実誤認があったようなので追記します。 2019.12.6
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